おもいでをつなぐ ~学校の歴史と震災の経験を未来へ~

仙台市立東六郷小学校
鈴木一彦

本校は、昭和32年4月1日に六郷小学校から種次分教場が独立し、児童数339名で開校しました。美しい田園に囲まれながら60年の歴史を刻み、この間に学び舎を巣立った同窓生は1,600名を数え、各方面でご活躍されております。

しかし、平成23年3月11日東日本大震災後に発生した津波が、地域に、学校に甚大な被害をもたらしました。教職員と地域の方々の迅速な対応のおかげで子どもたちの命は助かりましたが、多くの尊い命が奪われてしまいました。

震災後本校は、六郷中学校に併設となり、子どもたちの新たな学校生活が始まりました。中学校の先輩たちの優しさときびきびした行動を目にすることは、子どもたちには大きな刺激となりました。また、地域の方々はもとより、全国各地をはじめ世界中から物心に渡るたくさんのご支援をいただき、子どもたちは元気を取り戻していきました。

しかしながら、学区内の一部が災害危険区域となるなど、児童数が減少したこともあり、平成29年3月31日をもって閉校することとなりました。子どもたちには学校が閉校しても、この学校で、この地域で学んで得たことをいつまでも忘れずに、誇りに思い学び続けてほしいと思います。また、ご支援に対する感謝の気持ちを忘れずに、復興の担い手となるよう成長してほしいと願っています。

これまで長きにわたり、本校を支えてくださいました皆様、そして震災以降、ご支援くださいました全ての皆様に感謝申し上げ、閉校にあたってのご挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

第24代校長第24代校長 鈴木一彦