伊達政宗愛用と伝えられる,重厚な五枚胴具足
くろうるしごまいどうぐそく かぶと・こぐそくつき(だてまさむねしょよう)
黒漆五枚胴具足 兜・小具足付(伊達政宗所用)
Kuro urushi Gomaidogusoku Kabuto・Kogusoku tsuki (Date Masamune Shoyo)
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解説
Description
五枚胴具足は,胴を五枚の鉄板で構成する具足で,仙台藩では歴代藩主や多くの家臣が着用していた。この具足は,伊達政宗が用いたと伝えられるものである。鉄板に黒漆を塗った重厚な甲冑(かっちゅう)で,重さは約22kgある。政宗はこの五枚胴の形態の具足を好み,家臣たちもそれに倣った具足を着用した。「黒羅紗地裾緋羅紗山形文陣羽織(くろらしゃじすそひらしゃやまがたもんじんばおり)」一領と,「旗」一旒が附指定となっている。陣羽織は,南蛮服飾の影響を強く受けたもので,黒と緋の羅紗地は裾近くで山形文様に大胆に分割されており,黒地部分には縦に9本の金モールが付く。また現在は失われているが,衿と肩口には黒地の襞(ひだ)飾りが付けられていたモダンな陣羽織であった。旗は,白地赤日の丸旗で,伊達家当主の旗である。(仙台市博物館所蔵)