一貫した手作業による伝統袴地
せいごせんだいひら
精好仙台平
Seigo-sendaihira
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解説
Description
精好仙台平は,精好織(せいごうおり)とよばれる技法で製作される高級な絹袴地で,上質の生糸を藁灰で練り,植物染料を用いて手織機により二度打ちに織るため,独特の風合を有する。正徳元年(1711)仙台藩五代藩主伊達吉村が織工・小松弥右衛門を京都から招き,その子二代勘右衛門が単(ひとえ)の夏袴地を織って,これを六代藩主宗村から八代将軍徳川吉宗に土用献上品としたことが起源とされ,技術が確立したのは,江戸時代中頃とみられる。生糸や染色原料の選定から染色,絞り,乾燥,糸繰り,糸の横巻,製織まで手作業で行われ,甲田綏郎(こうだよしお)の父甲田栄祐(1970年逝去)も国の重要無形文化財に指定されていた。現在も生糸の染色から織まで,一貫した手作業で伝統を守りつづけている。(保持者 甲田綏郎)