仙台地方の丘陵部の本来の自然状態を示す原生林
あおばやま
青葉山
Aobayama
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解説
Description
天然記念物に指定されている範囲は,青葉山の東麓にあり,太平洋側の温帯林と暖帯林との接触地帯で,高等植物約700種,コケ植物約140種が自生する。大部分はモミ林で,モミ林の北限でもある。林床(りんしょう)には,ヒメノヤガラ・ムヨウラン等腐生のラン科植物があり,同種の北限にあたる。また,シラカシ,タブノキ,モチノキ等暖地性樹種の太平洋内陸部における集団分布の北限をなしている。多種の鳥類やムササビ,リス等の野生動物も生息しているが,このような自然環境が都心部に残されていることはきわめて貴重で,学術上価値が高い。これは,仙台城の御裏林として人の手が加えられなかったことや,東北大学理学部附属植物園として保護管理されてきたことによる。 *御裏林 仙台城の背後の丘陵地で,城の搦手(からめて)の防備のため大切な地域として築城以来保存・管理された。