細部の意匠にも心が配られた,平安時代の観音像
もくぞうしょうかんのんぞう
木造聖観音像
Mokuzo Shokannonzo
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解説
Description
木造聖観音像は,肉身を覆う金泥(きんでい)は後補のものであり,両目・耳・三道(さんどう)にも彫り直しがみられるなど,当初の姿とは若干異なるが,全体的な像容に平安時代の特徴がうかがわれる。また腹部を覆うように垂れ下がる条帛(じょうはく),膝の前で輪を描き,絡まる天衣(てんね),両下肢間で旋転する裳など細部の意匠にも心が配られている。なお,この像には一木造という技法が用いられている。江戸時代に仙台城下大町の商人・高屋弥七が伊豆川津邑(現在の静岡県加茂郡河津町)南禅寺から移して,成覚寺に奉納したと伝えられる。 ヒノキ材 一木造 像高165.0cm (成覚寺所蔵)