鎌倉時代の阿弥陀如来像。銘の判明する仏像として,県内最古。
もくぞうあみだにょらいりゅうぞう
木造阿弥陀如来立像
Mokuzo Amidanyorai Ryuzo
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解説
Description
木造阿弥陀如来立像は,寄木造で玉眼(ぎょくがん)を嵌入(かんにゅう)する,県内最古の在銘像である。もとは漆箔(しっぱく)であったらしいが,後世の修理や表面補修によって当初の像容は相当損なわれてしまっている。とはいうものの,全体としてすっきりとまとまった体躯,ひきしまった理知的な顔立ち,螺髪(らほつ)は細く,髪際の曲線はなだらかで大腿部を強調するY字型の衣文(えもん)構成など,快慶の作風を伝承している。ただし,内衣をまとっている点,左肩に掛かる大衣末端の大振りな動きなどは,一連の快慶の阿弥陀如来像ではみることができず,本像が単純な模刻像ではないことを物語っている。像左足ほぞの外側に刻まれた「承久三年二月日作佛僧宋實」という銘文から,承久3年(1221)に宋實という作仏僧によって製作されたことがわかる。なお,宋實については明らかでない。 ヒノキ材 寄木造 像高78.3cm (阿弥陀寺所蔵)