「顕拝(けんばい)」と称する念仏剣舞(けんばい)
たきはらのけんばい
滝原の顕拝
Takihara no Kenbai
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解説
Description
滝原の顕拝(けんばい)は,念仏踊を源流とする古態の念仏剣舞である仙台剣舞のなかでも独特の芸態をみせ,「顕拝」と書いているものは他にない。口伝によれば,4~5世紀頃に疫病が流行したときに,薬師十二神が現われ天竺の修法踊を踊ったところ,直ちに悪疫が退散して天下太平になったため,それ以後,この顕拝が踊られるようになったという。一行が道中を進むときは法螺貝(ほらがい)を吹いて清めながら歩いたという。他の仙台剣舞がいずれも鹿踊と一対となって伝承されているなかで,隣同士とで,「滝原の顕拝」と「野口の鹿踊」がそれぞれ独立して伝わっているのは興味深い。もとは盆の8月16日に先祖供養をも兼ねて集落の各戸をまわって踊られた。装束は,日天役と月天役の踊手がその「建物」を,他は幣束(へいそく)を立てたざんぎりをかぶって面を付け,長袖,裁著,襷,手甲(てこう)に脚絆(きゃはん),白足袋,切緒の草鞋(わらじ)をはき,剣を振り回しながら踊る。笠回しは長袖,腰帯,広帯,白足袋,切緒草鞋の女装で,紅白それぞれの幕を垂らした笠をかぶる。2つの笠には松浦小夜姫の人形と大蛇の作りものが乗せられている。(演じられる時期と場所 4月29日 秋保大滝不動尊祭礼)