室町時代後期に活躍した画僧,雪村(せっそん)による水墨画
しょうしょうはっけいず(せっそんしゅうけいひつ)
瀟湘八景図(雪村周継筆)
Shosho Hakkeizu (Yukimura Shukei hitsu)
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解説
Description
瀟湘八景図は,中国湖南省洞庭湖(どうていこ)にそそぐ瀟水(しょうすい)と湘水(しょうすい)の合流する辺りの佳景(かけい)を描いたものである。八景が全部描かれているわけではないが,最初からそうであったのか或いは途中で失われたのかは不明である。作者の雪村は,室町時代後期から桃山時代の画僧で諱(いみな)は周継。常陸国太田(茨城県)に生まれ,関東・南東北地方を中心に活躍した。雪舟に私淑(ししゅく)し,宋元画を学んだ。会津に住んだ後晩年は福島の三春に隠棲(いんせい)し,その地で没した。落款(らっかん)には,「継雪村老翁図筆」とあり,巧みな濃淡の筆墨による描写は,晩年の雪村が到達した独自の画境を示すものである。この作品は伊達家伝来品で,昭和26年(1951)に仙台市に寄贈された。引手の跡が残るところからかつては襖絵(ふすまえ)であったと思われるが,寄贈時には捲(まく)りの状態であった。昭和37年に軸仕立てにしたものである。 6幅 紙本墨画 各縦130.0cm 横51.8cm (仙台市博物館所蔵)