幕末・明治の仙台を立体的に描いた鳥瞰図
せんだいじょうかちょうかんず
仙台城下鳥瞰図
Sendaijoka Chokanzu
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解説
Description
「仙台城下鳥瞰図」として,「仙台城下絵図」1幅と,「明治元年現状仙台城市之図」1面の,計2点が指定されている。これらの仙台城下鳥瞰図は,城下の景観を俯瞰的に描いた風景画であり,立体的に城下を見ることができる数少ない絵図である。文久2年(1862)に描かれた「仙台城下絵図」は,東の方に省略している箇所があることから,城下の中心部を描くことが目的だったと思われ,街区を区切るほぼ碁盤の目状の縦横の道,幅広く描かれた主な道,町木戸,立体的に描かれた武家屋敷,町屋敷と屋敷林など,区画された町割が明瞭に描かれている。また,明治元年(1868)に作られたと推定される「明治元年現状仙台城市之図」では,城下の主な施設などには名称が注記され,神社を示す幟(のぼり)が立てられ,主な通りには城下を行き交う人々が,広瀬川には渡し舟で往来する人々の姿が描かれている。(仙台市博物館所蔵)