十二座神楽を主とした芸態を持つ,沈黙の舞
ばばあたごじんじゃかぐら
馬場愛宕神社神楽
Baba Atagojinja Kagura
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解説
Description
秋保町馬場の愛宕神社は,中世以降秋保の領主であった秋保氏の分家で馬場を支配した馬場氏が,16世紀に築いた上館(うわだて)の居館跡に祀られた神社である。社伝によれば,この神楽は慶応3年(1867)馬場西光寺第25世住職の智俊が,師匠の石田道純・橘川良鉄から習ったもので,それを土地の若者たちに伝習し,以来,神社例祭で演じられてきたものだという。仙台周辺から県南に広く分布している十二座神楽を主とした芸態を持つ。十二座神楽は,祈祷の舞を中心に簡略な筋立てを持つ神話を演じるもので,すべて黙劇で,洗練された楽の拍子に乗せて,荘重な舞や軽妙な舞が入り組んで演じられる。先年までは,国重要無形文化財の山形県林家舞楽(はやしけぶがく)系の太平楽(たいへいらく)を模した「タヘヤロの舞」と,除魔・悪疫退散の「獅子舞」も演じられてきたが,現在は中断している。戦時中をはさんで,30年ほど中断していたが,昭和25年(1950)に若者たちの手により復興され,後祭として獅子舞が厄払いをしながら各戸をまわるようになった。 (演じられる時期と場所:旧6月24日 馬場愛宕神社例祭)