泉区に唯一伝承される,田植踊
おおさわのたうえおどり
大沢の田植踊
Osawa no Taueodori
▼ In English
解説
Description
泉区には「奴(やっこ)田植」系と「弥十郎(やんじゅうろう)田植」系の両方の田植踊が伝わったが,唯一,「弥十郎田植」系の「大沢の田植踊」だけが現在も伝承されている。この田植踊は,仙台藩二代藩主伊達忠宗が上覧(じょうらん)した際に,その優れた芸をたたえ,伊達家の家紋である「竹に雀」にちなんだ早乙女(さおとめ)の裾模様と,「三桝に上(さんじゅうますにじょう)」の紋を使うことを許されたという。踊りは古態を残し,成人男子が振袖姿の早乙女に扮装して踊られている。装束は,早乙女は白い三角の口紙で口と鼻を覆い,造花を付けた竹製の花笠をかぶる。裏地が赤の黒振袖に広帯としごき帯を締め,その余りを長く垂らしている。弥十郎はあさぎ色の投頭巾(なげずきん)をかぶり,袖広のブッツァキに黒の前母衣(まえほろ)という化粧回しをまわし,手甲(てこう)をつけ,黒の裁着,黒足袋を履く。また,現在は演じられなくなったが,かつては歌舞伎などの余芸が数多くあったという。伝承は明治初年,昭和30年(1955)に中断したが,昭和56年に大沢青年会により復活,昭和58年に現在の保存会が結成され意欲的に運営されている。 (演じられる時期と場所:旧8月28日に直近の日曜日 八坂神社例祭)