市内に伝わる,数少ない平安時代の仏像
じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう
十一面観音菩薩立像
Juichimenkannonbosatsu Ryuzo
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解説
Description
十一面観音菩薩立像は,善応寺(ぜんのうじ)本堂に本尊として安置されている。善応寺は,元禄10年(1697)に伊達藩四代藩主伊達綱宗によって,当時廃寺であった胆沢郡黒石村(岩手県奥州市水沢区黒石)の長谷寺の寺跡を移して創建された。十一面観音菩薩立像も,この時に長谷寺より伝来したものである。十一面観音菩薩立像は,もとは素木(しらき)で,肉身部の漆箔や,頭部全体は後補であるが,全体に11世紀中頃の仏師・定朝(じょうちょう)以降にみられる,仏像の繊細化傾向が感じられるつくりとなっている。仙台市内に伝わる数少ない平安時代後期(11~12世紀)の仏像である。一木造 像高178cm (善応寺所蔵)