「笈分如来(おいわけにょらい)」とも称される,快慶様式の鎌倉時代の仏像
もくぞうあみだにょらいりゅうぞう
木造阿弥陀如来立像
Mokuzo Amidanyorai Ryuzo
▼ In English
解説
Description
木造阿弥陀如来立像は,漆箔(しっぱく),玉眼(ぎょくがん)を入れた上品下生(じょうぼんげしょう)印の仏像で,「笈分如来(おいわけにょらい)」と通称される。羽州村山郡慈恩寺(湯殿山)の僧・覚明が,京都の仏師・快慶に依頼して作仏してもらった仏像を背負って帰る途中,あまりの出来栄えから譲るのを惜しんで後を追ってきた快慶と笈(おい)を開けたところ,分身して二体になっており,一体は快慶が京都・蓮光寺に納め,もう一体が本像であるという。伝説の真偽はともかくとして,頭部の表現,衣文(えもん)を胸部・腹部の二か所で折り返す扱い,たたみこむような裾の表し方などに,いわゆる快慶様式をみることができる。この像を安置するための阿弥陀堂は,貞享5年(1688)四代藩主伊達綱村の寄進によって建てられたものであったが戦後焼失し,近年再建された。 ヒノキ材 寄木造 像高98.8cm (個人所蔵)