市内に残る最も古い文書。中世の油生産について記した,全国的にも珍しい史料。
たいばいじしょぞうもんじょ(じひおさんじかんれんもんじょ)
大梅寺所蔵文書(慈悲尾山寺関連文書)
Taibaiji Shozo Monjo ( Jihiosanji Kanren Monjo )
▼ In English
解説
Description
大梅寺所蔵文書は,山城と攝津(せっつ)の境に位置し,油生産で著名な大山崎にあった天台宗の寺院,慈悲尾山寺に関するもので,文書が書かれた時期は,最も古いもので鎌倉時代前期,最も新しいものは室町時代である。その内容は,慈悲尾山寺に関する一切を譲るとする譲状(ゆずりじょう),油生産の道具と見られる物品の譲与について書かれた忍蓮置文(にんれんおきぶみ),大内義弘(おおうちよしひろ)追討のため寺に祈祷を命じた足利義満御判(ごはん)御教書(みきょうじょ)などである。特に正文(しょうもん)の一つ忍蓮置文に書かれた中世の油生産の道具に関すると見られる記述は,非常に珍しいものである。この古文書は,市内に残る最も古い文書と考えられること,中世の油生産に関する全国的にも珍しい資料であることなどから重要である。なお,案文(あんもん)の前後に続くと思われる三通の譲状の案文が,京都大学に所蔵されている。