鎌倉~室町時代の石窟と内壁に彫り出された仏像
とうこうじのせっくつぐんいき・にしひらば
東光寺の石窟群域・西平場
Tokoji no Sekkutsuguniki ・ Nishi Hiraba
▼ In English
- 指定区分
Classification - 仙台市指定 / 史跡
- 年代
Age - 指定なし
- 数
Quantity - 未登録
- 指定年月日
Designated Date - 平成18年(2006) 01月17日
解説
Description
石窟群域,西平場が所在する東光寺は,遅くとも観応2年(1351)までには聞かれていたと推定される中世寺院で(「塩竃神社文書」),慈覚大師円仁の開基伝説を持ち,当時は天台宗寺院であったことが伝えられている。当時の陸奥国府は岩切周辺に所在したと推定されているが,東光寺はその留守職にあった留守氏の支配下にあったものとみられている。
近年の発掘調査や板碑調査等の成果によれば,国府背後の丘陵地一帯には,東光寺をはじめ,板碑群や堂宇地などさまざまな宗教施設が分布し,一定の霊場域を形成していたことが解明されつつある。東光寺はこの霊場域の中心的な宗教施設となっていたようで,境内には石窟仏や板碑群が現存する他,埋没していた石窟やそれらをつなぐ参詣道跡,堂宇跡など多くの宗教施設の存在が発掘調査で確認されている。
今回史跡指定の対象とする石窟群域,西平場は,仙台城下町開府以前,中世期の仙台の歴史景観や信仰世界を示すものとしてきわめて重要である。また,現在にいたるまで信仰の対象となっていることは,地域の信仰世界の変遷を示すものとしても重要である。