遮光器土偶に続く縄文晩期の土偶
どぐう/かじさわいせきしゅつど
土偶/鍛冶沢遺跡出土
Dogu / Kajisawa iseki shutsudo
▼ In English
解説
Description
宮城県刈田郡蔵王町曲竹字鍛冶沢に所在する,鍛冶沢遺跡より出土したと伝えられる縄文時代晩期後半の土偶である。いわゆる遮光器土偶に後続する土偶と位置付けられる。東北の縄文時代晩期では、土器形式が概ね古い方から大洞B,BC,C1,C2,A,A'式に大別されているが、本資料は大洞C2式期から大洞A式期への移行期に属すると見られ、雲形紋が工字紋へ変形しつつある文様で構成されている。中空の土偶で,細部に残る塗膜から,全面が赤彩であった可能性が高い。わずかな欠損はあるが,完全な形で残されることの少ない土偶で,全体像がわかる貴重な資料である。