上杉謙信が用いたと伝わる鎧一揃え。3つの顔を持つ三宝荒神が付いた変わり兜。
しゅしぼうるしろくまいどうぐそく さんぽうこうじんかぶとつき(でんうえすぎけんしんしょよう)
朱皺漆六枚胴具足 三宝荒神形兜付(伝上杉謙信所用)
Shushibo urushi Rokumaido Gusoku Sanpokojin Kabuto tsuki ( Den Uesugi Kenshin Shoyo )
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解説
Description
特異な変わり兜として知られる三宝荒神形兜を伴う具足で,上杉謙信(1530-1578)所用と伝える。三宝とは通例,仏・法・僧をさし,三宝荒神はこれらを護る神といわれるが,本品では,忿怒の相をした赤・緑・黒の3つの顔を持つ姿で表現されている。
この三宝荒神形の立物は,革や漆を用いて張懸でつくり,頭形兜に革紐で装着している。兜の鉢や胴,佩楯などは朱漆の皺塗が施されている。胴は鉄板6枚から成り,紫糸で素懸に威(おど)し,さらに前後2枚胴となるようにまとめられている。
『肯山公治家記録』によると,延宝7年(1679)4代藩主伊達綱村の時,もと上杉家家臣の登坂家から伊達家に献上されたという。平成3年度佩楯修理済。
胴高36.4cm 兜高(火焔先まで)32.5cm
頭形兜1頭 (シコロ5段),三宝荒神形張懸立物 1頭,朱皺漆 六枚胴(草摺12間5段下り紫糸素懸威)1領,佩楯1枚,臑当1双からなる。