大正期の図書館閲覧室
きゅうとうほくていこくだいがくふぞくとしょかんえつらんしつ(とうほくだいがくしりょうかん)
旧東北帝国大学附属図書館閲覧室(東北大学史料館)
Kyu Tohoku Teikoku-daigaku fuzoku Tosyokan Etsuranshitsu(Tohoku daigaku Shiryo-kan)
▼ In English
解説
Description
東北帝国大学は,明治40年(1907)に設立された。当初は農科大学(札幌農学校が前身)と理科大学(後の理学部)から成り,片平地区には理科大学が,明治44年に開設された。大正4年(1915)に,仙台医学専門学校を包摂して医科大学が発足したが,大正8年には,農科大学が北海道帝国大学として独立した。大正9年の工学部設立,大正11年の法文学部設立等を経て,昭和24年(1949)に,東北大学と改称された。
旧東北帝国大学附属図書館閲覧室(東北大学史料館)は,大正15年の鉄筋コンクリート造建築である。北面中央に玄関を開き,1階に事務室等を配し,2階は大空間の閲覧室とする。外壁は腰部石張り,1階化粧煉瓦張,2階は漆喰塗とし,1階窓はセグメンタルアーチ,2階窓は半円アーチでまとめる。ロマネスク風の意匠でまとめる図書館建築である。
当時東北帝国大学技師として在職していた小倉強(後の東北大学工学部建築学科教授)による設計である。大学附属図書館の移転後,昭和61年より史料館として活用されている。