多彩な技を伝える,はしご乗り
せんだいしょうぼうはしごのり
仙台消防階子乗り
Sendai Syobo Hashigo-nori
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解説
Description
はしご乗りとは,梯子の上で火事場を探す所作などを盛り込んださまざまな芸を披露するもので,元は城下町の町火消しを務める鳶職や任侠のもの等が,火事の方角を見定めるために身に付けた技に由来すると伝えられる。支え手が梯子を鳶口(とびぐち)のみで支え,乗り手は命綱を付けずに梯子に登り演技をする。
本市の階子乗りに関する史料の初出は,明治17年(1884)1月7日付『奥羽日日新聞』で,1月4日の消防組の「出初」の際に「階子乗りの式」が県庁前と広瀬橋上で演じられたとある。指定名称の「階子」の表記はこれによる。近世より演じられたかは定かではないが,明治期以来今日まで中断と復興を繰り返して伝承されてきた。
仙台消防階子乗りは,全国各地の町火消によるはしご乗りの基本的な形式を踏まえつつも,芸を行うのが消防団員であること,技のバリエーションが約60種類と多いこと,長い梯子を用いること等,仙台独自の特徴も兼ね備えている。加えて,その展開が具体的史料によってたどることができる等,城下町より発展してきた本市の歴史を示すとともに,都市における民俗のあり方を伝えるものとして重要である。
(演じられる時期と場所:1月6日消防出初式 など)