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愛宕山横穴墓群

市内有数の横穴墓群。市内唯一の装飾壁画も発見。

あたごやまよこあなぼぐん

愛宕山横穴墓群

Atagoyama yokoana-bogun

種別区分
古墳・墓
年代
古墳時代 奈良時代
面積
27,500㎡

所在地

太白区向山4丁目
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解説

愛宕山横穴墓群は,市の南部にあり,JR仙台駅の南約2km,広瀬川にかかる愛宕大橋の南に位置する。広瀬川右岸の青葉山丘陵東端部の丘陵斜面に立地する。遺跡の面積は約27,500㎡である。これまで都市計画道路建設,宅地造成等に伴って6次の調査が実施されており,北斜面におけるA地点,南西斜面におけるB,C地点の3地点が確認されている。標高20~28mの範囲にこれまで計33基の横穴墓が確認されている。B地点における平成3年(1991)の3次調査では18基の内15基の横穴墓が調査され,5基前後からなる群で構成されることが指摘されている。各横穴墓の平面形は長方形,方形,逆台形があり,立面形にはドーム形,アーチ形,家形などがみられる。大きさは玄室幅が1m以下の小型から3mを超える大型のものまでみられるが,2m前後が一般的である。出土遺物が少なく正確な年代の把握は困難であるが,7世紀後半から8世紀前半の古墳時代~奈良時代に属すると考えられる。特筆すべきものとして,昭和51年(1976)の2次調査における装飾壁画をもつ横穴墓(1基)の発見が挙げられる。玄室奥壁に円文を基調とする文様が赤色顔料を用いて描かれており,玄室からは刀子と5体分の人骨が出土している。これらの年代は,羨道(せんどう)左壁沿いから出土した土師器坏より,7世紀後半から8世紀初頭と推定される。仙台平野では,7世紀初頭より横穴墓群の造営が開始され,7世紀中頃から後半にかけてピークを迎える。そしてこの頃に,南東約1.5kmに位置する郡山遺跡では,官衙が造営されたと考えられている。7世紀後半から8世紀初頭にかけて営まれた本横穴墓群は,律令社会の成立という社会的な変化の中で形成された遺跡であり,埋葬された人々の由来やその社会的背景を知る上で貴重な遺跡である。

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