古墳時代前期の遺跡。土坑から土師器等がまとまって出土。
あらいはたけなかひがしいせき
荒井畑中東遺跡
Arai-hatakenaka-higashi iseki
解説
荒井畑中東遺跡は,市の東部にあり,JR仙台駅から東に約6㎞の荒井地区に位置する。南方に名取川が流れ,その自然堤防上に立地する。標高は3~5mである。遺跡の面積は,約1,500㎡である。本遺跡の周辺には,所在地の地名から中近世の城館跡と考えられている荒井館跡が東側に隣接し,西側には荒井畑中遺跡がある。発掘調査は平成22年(2010)に実施され,古墳時代の土坑2基,溝跡7条,性格不明遺構1基,ピット2基が発見されている。土坑からは土師器等がまとまって出土している。出土した土師器は,古墳時代前期の塩釜式土器である。土坑2基の性格には,いくつかの可能性が考えられているが,今後の課題とされる。荒井畑中東遺跡の立地する自然堤防上では,中在家南遺跡,荒井畑中遺跡,高屋敷遺跡,押口遺跡でも古墳時代前期の遺構や遺物が発見されており,東方の後背湿地に立地する沓形遺跡では,この時期の水田跡も広く確認されていることから,本遺跡を含む一帯に古墳時代前期の集落が存在していたと考えられる。