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鴻ノ巣遺跡

古墳時代から中世にかけての集落跡。仙台平野北部の拠点的集落,また交通や流通の要衝として機能。

こうのすいせき

鴻ノ巣遺跡

Konosu iseki

種別区分
集落跡
年代
古墳時代 奈良時代 平安時代 中世
面積
291,000㎡

所在地

宮城野区岩切字鴻ノ巣
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解説

鴻ノ巣遺跡は,市の北部にあり,JR岩切駅の南約500mに位置する。七北田川右岸の標高約8mの自然堤防上にある。面積は約291,000㎡で,岩切大橋から東北新幹線の線路にかけての川沿いに東西1,000m,南北320mの範囲で広がる。付近一帯は,古代・中世の街道と,水上交通路としての七北田川の交差地点にあたる。中世には,このあたりに「市」があったと考えられている。現在,遺跡の北側は河川敷,南側は住宅地や畑地となっている。昭和48年(1973)に新幹線建設工事に伴い初めての調査が行なわれ,古墳時代中期の竪穴住居跡や中世の井戸跡が発見された。その後,宅地造成や河川改修工事に伴い調査が行なわれている。七北田川に近い遺跡北側では古墳時代中期から中世の遺構が発見されている。古墳時代中期の遺構には,竪穴住居跡や祭祀遺構,大溝を伴う塀跡などが,後期には約60個体の土師器が出土した祭祀遺構や溝跡がある。奈良時代の遺構としては竪穴住居跡が,平安時代には竪穴住居跡と,倉庫と考えられる掘立柱建物跡などが発見されている。中世の遺構には,屋敷を囲む堀跡や掘立柱建物跡,井戸跡がある。遺跡南側は,北側よりわずかに低くなっており,古墳時代中期には墓跡や水田跡が形成され,中世には多数の掘立柱建物跡や堀跡を含む溝跡,井戸跡がある。出土遺物は,古墳時代中期では,多量の土師器のほか,ガラス小玉や祭祀に使われた剣形や円盤状の石製模造品,臼玉も多量に出土している。また,黒曜石の石器や続縄文土器と呼ばれる北海道系の遺物も出土している。中世には国産の陶器のほか中国産の青磁も出土している。調査成果から,鴻ノ巣遺跡は,古墳時代中期には東北北部や北海道方面とも関わりを持つ仙台平野北部の拠点的集落として,また中世には東光寺や市場及び多賀国府と関係するような交通の要衝を占める集落であったと考えられる。

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