縄文時代前期の竪穴住居跡22軒を発見。
かばさわやまいせき
蒲沢山遺跡
Kabasawayama iseki
解説
蒲沢山遺跡は,市の西部にあり,JR愛子駅の北約2.5㎞に位置する。広瀬川の支流である芋沢川に流れ込む赤坂川沿いの丘陵上にある。標高は140m~230mで,面積は約146,000㎡である。昭和58年(1983)・59年に赤坂ニュータウン造成に伴う調査が旧宮城町教育委員会によって行われ,縄文時代前期の竪穴住居跡が22軒,同時期の遺構として,土坑も多く発見されている。前期初頭の住居跡は,丘陵尾根部と東側の緩斜面にわかれ,方形で小型のものが西側の丘陵尾根部に,円形で大型のものが東側の緩斜面にみられた。縄文時代前期初頭の集落の構造を考える上で貴重な遺跡である。遺物では600点を超える大量の石器が出土しており,これらのなかには,縄文時代草創期と考えられるエンドスクレーパーや局部磨製石斧も含まれている。