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川内C遺跡

縄文時代後期の遺物包含層を発見。土偶出土。

かわうちしーいせき

川内C遺跡

Kawauchi-shi iseki

種別区分
包含地
年代
縄文時代 近世 近代
面積
800㎡

所在地

青葉区青葉山
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解説

川内C遺跡は,市の中心部に近く,地下鉄国際センター駅の南側に隣接する。広瀬川右岸の河岸段丘上に立地している。標高は約40mで,面積は約800㎡である。平成25年(2013)に市の施設建設に伴う試掘調査によって発見された遺跡である。江戸時代の絵図では武家屋敷と記載されており,その後は陸軍第二師団の施設や米軍駐留地として使用されていた。当遺跡の時期は縄文時代と近世である。試掘調査の結果,大部分は建築物の基礎などによって破壊されていることが明らかとなったが遺跡の残存部分では,縄文時代後期初頭から前葉の遺物包含層が検出された。遺物包含層は調査区中央部を中心に南北約7m,東西約5mの楕円形の範囲に認められ,下面が凹地状をなしていたことから,当初は竪穴住居跡の可能性も考えられたが,底面に凹凸があり,炉跡や柱穴もないため,自然の地形に形成された遺物包含層と判断された。遺物は,縄文土器片が約2,400点出土している。遺構外出土の土偶は,形態・文様の特徴から,この包含層に帰属すると考えられ,文様は,複数の平行する沈線文とそれに沿う刺突列,渦巻沈線文によって構成されている。乳房の上部には二つ右回りの渦巻文が施されている。破損面を観察すると首部に1ヶ所,胴部2ヶ所に孔があり,土偶製作時の芯材の痕跡の可能性が考えられる。胴部の形態や文様は,仙台市域では太白区大野田遺跡に類例が認められ,福島県郡山市の割田A遺跡出土のハート形土偶と類似する。

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