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小鶴城跡

三重の堀跡が検出された,中世の城館跡。

こづるじょうあと

小鶴城跡

kozuru-jo ato

種別区分
城館跡
年代
中世
面積
39,200㎡

所在地

宮城野区新田3丁目
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解説

小鶴城跡は,市の東部にあり,JR仙台駅から北東約4.3㎞に位置する。七北田川によって形成された後背湿地に突き出した舌状丘陵に立地し,主郭と推定される地点の標高は約16mで,面積は約39,200㎡である。文献には,『安永風土記御用書出』や享保13年(1728)の『仙台領古城書立之覚』などに規模や城主についての記載がみられる。現在は宅地化が進み,城館としての地形や土塁,堀跡などの地表で確認できる地表顕在遺構は一部を除いて既に失われている。現状の地形は東から西に向かって標高は徐々に高くなり,最も高い西部が主郭と推定され,少なくとも3郭で構成されていたと考えられる。これまで宅地造成や住宅建設に伴い,仙台市教育委員会により8回の発掘調査が行われている。これまでの調査では,丘陵斜面直下に上端幅7m,深さ1.9mの大規模な堀跡をはじめとする三重の堀跡が城館を囲むように配置されていることが判明し,遺跡東部で行われた平成23年(2011)の第6次調査では堀跡底面を堤状に掘り残した障子掘に類似した高まりが検出された。また,平成21・22年に宅地造成に伴い,主郭と推定される丘陵西部の「伝上山」と称される地区で行われた第4次調査では,切土と盛土で行われた整地層が3面確認された。中世の,小鶴城跡に関連すると考えられる柱列跡,掘立柱建物跡,溝跡,土坑などが検出され,陶器,銭貨が出土したが,城館の中心となる建物跡などは確認されていない。整地層の状況から,小鶴城跡が立地する丘陵の西部では数時期の変遷が想定される。

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