現在位置
仙台市の遺跡(仙台市HP) >
仙台市の遺跡 >
下飯田遺跡

市内唯一の,古墳時代後期の貝塚。

しもいいだいせき

下飯田遺跡

Shimoida iseki

種別区分
集落跡 生産遺跡 包含地 貝塚
年代
古墳時代 奈良時代 中世
面積
77,500㎡

所在地

若林区下飯田字屋敷南ほか
Google mapへのリンク

解説

下飯田遺跡は,市の東部にあり,JR長町駅の東方5kmに位置する。海岸線からの距離は約3kmである。標高1m前後の浜堤列から後背湿地に立地しており,面積は約77,500㎡である。遺跡の時代幅は,古墳時代後期から奈良時代・中世である。平成元年(1989)の試掘調査と,平成3年・4年の本発掘調査で,遺跡の概要が明らかになった。古墳時代後期から奈良時代では,集落跡が発見されている。竪穴住居跡22軒や掘立柱建物跡2棟などのほかに,河川跡の堆積土中で,仙台市内で唯一の古墳時代後期の貝塚が発見された。この貝塚は,貝類はヤマトシジミを主体に,イガイ,イシガイ,マツカサガイ,アサリなどで構成されている。貝層中からは,自然遺物として,魚類ではスズキの骨,哺乳類ではニホンジカの骨,人工遺物として,土師器・須恵器といった土器,瓦,土錘や土玉などの土製品,漆塗りの容器・曲物の底板・ウキなどの木製品が発見されている。当時の生活を考えるうえで貴重な成果となった。また,土器の中には,関東地方の土師器と類似する関東系土器がみられ,この集落の性格と関わる点で注目される。中世では,鎌倉時代後半頃の屋敷跡が発見されている。この屋敷跡は,幅3m,深さ1mの区画溝を南北67m,東西35m以上にわたってめぐらしており,その内部から建物跡や井戸跡などが発見された。ここからは,常滑産の陶器や中国産の青磁を含む陶器・磁器類,櫛(くし)・板草履・下駄・箸・杓子・曲物容器・漆器などの木製品が出土している。

このページのトップへ戻る