縄文時代と平安時代の遺跡。
すみよしいせき
住吉遺跡
Sumiyoshi iseki
解説
住吉遺跡は,市の北部にあり,泉区役所の南東約4.3㎞に位置する。標高44~55mの七北田丘陵東端の丘陵上に立地しており,面積は約45,000㎡である。昭和59年(1984)に旧泉市教育委員会によって発掘調査が実施されている。調査の結果,縄文時代の落し穴と平安時代の掘立柱建物跡が発見された。また縄文時代早期の土器が出土している。このほか,Ⅰ層(褐色火山灰層)から両面加工尖頭器やサイドスクレーパーなどの石器が出土し,またⅣ層で105点,Ⅴ層で23点の出土も確認され,Ⅰ層は晩期旧石器時代(縄文時代草創期),Ⅳ層は後期旧石器時代後半,Ⅴ層は前期旧石器時代に属するものと考えられた。しかし,平成12年(2000)に発覚した前・中期旧石器ねつ造問題を受け,日本考古学協会が検証を行った結果,観察した石器18点(Ⅰ層上面6点,Ⅳ層6点,Ⅴ層6点)については疑義が濃厚であり,意識的に埋め込まれたものと判断された。また,仙台市教育委員会は中期旧石器が出土したとは言えないとし,Ⅳ層から接合関係のある石器が出土しているものの,不自然な石器群と分離できないことから旧石器時代の遺跡の可能性はあるが,断定できないとした。これらの検証結果を受け,宮城県教育委員会は,住吉遺跡を旧石器時代の遺跡としては取り扱わないとしている。