陸奥国分寺や多賀城などに瓦を供給した,平安時代の窯跡。
つつみまちかまあとびーちてん
堤町窯跡B地点
Tsutsumimachi kama-ato bi-chiten
解説
堤町窯跡B地点は,市の北部にあり,JR仙台駅の北東約3kmに位置する。仙台市の北側を東西に延びる標高30~100mの台原・小田原丘陵の南東斜面に立地し,面積は約5,860㎡である。この丘陵には良質な粘土と水源があり,台原・小田原古窯跡群として古くから知られていた。昭和56年(1981),宅地造成に伴う調査が仙台市教育委員会により行われ,窯の焼成不良品を廃棄した跡と考えられる遺構など,窯跡に関連する溝7条,土坑3基が発見された。出土した遺物は,全体の9割以上が瓦・須恵器である。瓦には宝相華文(ほうそうげもん)軒丸瓦・歯車文軒丸瓦・連珠文軒平瓦などが見られる。これらは貞観11年(869)の貞観震災後の陸奥国分寺や多賀城の修復で使用された瓦であり,周辺の五本松窯跡からも同時期の瓦が出土している。また「未」などの刻印が入った瓦,風字硯(ふうじけん)なども出土している。