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東光寺遺跡

石窟仏群,板碑群,城跡などで構成される中世寺院遺跡。

とうこうじいせき

東光寺遺跡

Tokoji iseki

種別区分
寺院跡 城館跡
年代
安土桃山時代 中世
面積
92,400㎡

所在地

宮城野区岩切字入山,台屋敷
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解説

東光寺遺跡は,市の東部にあり,JR岩切駅の西北西約1㎞に位置する。七北田川に架かる今市橋の北側,丘陵裾部に立地するが,遺跡はこの寺を中心に東西約300m,南北約350mの範囲に広がり,面積は約92,400㎡である。横穴群,石窟仏群,板碑群,城跡で構成される。石窟仏群は丘陵末端の崖面の石窟10数基からなり,薬師如来・阿弥陀如来・地蔵菩薩などのレリーフが認められ,中世のものと推定される。板碑群は13世紀後半から14世紀前半の板碑120余基からなり,県内でも有数の板碑群として知られている。昭和61年(1986),62年に仙台市教育委員会により発掘調査が行われ,崖上部で竪穴遺構,階段,礎石,井戸跡,柱穴,参詣道跡などが発見されたほか,崖面では10基の石窟が確認された。また,崖下門前では14世紀頃の井戸跡,溝跡,柱穴などの遺構群が発見された。出土遺物には,大小の軒丸瓦,鬼瓦を含む多量の瓦類の他,常滑産甕(かめ),在地産陶器,中国産青磁などがあり,いずれも14世紀のものとみられる。多量の瓦の出土から中世寺院「東光寺」が崖上にあったものと考えられ,板碑群とともに中世の宗教関係遺跡として貴重である。また,石窟群の中には覆屋(おおいや)と思われる建物跡を伴うものがいくつかみられ,特に3号石窟前の建物跡は,「奥州名所図会」に見える「十王堂」跡と考えられる。東光寺門前東側の調査では河川跡,橋脚,洗い場跡などが発見され,堆積土からは大量の近世陶磁器や木製品など江戸時代後半の遺物が出土した。これらの遺構群から,東光寺門前の十王堂から参詣道を辿り,最上部の薬師如来の石窟へと続く一連の歴史的空間が復元される。

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