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桝江遺跡

奈良時代から平安時代にかけての窯跡。工房とみられる建物跡を発見。

ますえいせき

桝江遺跡

Masue iseki

種別区分
生産遺跡
年代
奈良時代 平安時代
面積
6,200㎡

所在地

宮城野区桝江
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解説

枡江遺跡は,市の北部にあり,JR東仙台駅の西約1.4kmに位置する。台原・小田原丘陵の南斜面に立地し,標高は44~47mで,面積は約6,200㎡である。その範囲は東西120m,南北80mで,北西に隣接して与兵衛沼窯跡,南東に神明社窯跡がある。昭和52年(1977)に枡江小学校の建設に伴う発掘調査が,古窯跡研究会により実施された。発見された遺構は窯跡5基,竪穴住居跡2軒,掘立柱建物跡8棟,土坑21基,焼土遺構1基,溝跡24条,ピット群などがある。窯はいずれも半地下式の無階無段の窖窯(あながま)で,4基は南側斜面にまとまり,ほぼ等間隔に造られており,灰原(はいばら)も共有することから同時期の操業窯と考えられる。4基の内3基は瓦を焼いていたことがわかった。また竪穴住居跡と掘立柱建物跡は窯跡の南側下斜面部分の平場にあり,時期的に3~4回の変遷が認められた。1軒の竪穴住居跡内から鍛冶施設が発見されたことから,これらの遺構群は瓦を製作するための工房施設と考えられる。出土遺物は瓦のほか土師器,須恵器,木製品,石製品,鉄滓(てっさい)などがある。瓦は軒丸瓦(重弁蓮華文(じゅうべんれんげもん),細弁蓮華文(さいべんれんげもん))軒平瓦(単弧文),丸瓦,平瓦,鬼瓦,道具瓦,塼(せん)などがある。このうち重弁蓮華文軒丸瓦と単弧文軒平瓦は奈良時代後半,細弁蓮華文軒丸瓦は平安時代初期のものである。文字瓦はヘラ書きと刻印があり,ヘラ書きには「嶋比」と書かれたものが1点,刻印には丸瓦に「田」,「伊」,「占」,平瓦に「物」,「矢」,「丸」などがある。

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