嶺山B遺跡

解説

嶺山B遺跡は，市の西部にあり，東北自動車道仙台南インターチェンジの北西約2.4kmの茂庭台団地内にある。蕃山丘陵南東側の丘陵上位のテラス状に広がる緩斜面内に立地する。このテラス状緩斜面は，頂部(標高201.6m)の南東斜面上の，標高186～189mに形成された北東から南西に延びる細長い平坦部で，面積は，約5,700㎡，長さ約100m，幅約20mである。北東，南東，南西の三方向は比高差15～20mの窪地や谷に至る急斜面となっている。北東側の窪地には沼原B遺跡が，南東側の窪地には嶺山A遺跡がある。本遺跡は茂庭台団地造成工事に伴い発見された遺跡で，昭和55年(1980)に発掘調査が実施されている。窪地南東側の緩斜面部より，縄文時代の土坑1基が検出された。テラス状緩斜面の中央やや東寄りの位置で，規模は2.3m×1.2m，深さは1.2mである。動物の捕獲用・捕殺用の晩期以前の落し穴で，沼原A遺跡や嶺山A遺跡で多数検出された落し穴とほぼ同じ形態・規模である。縄文時代の遺物は，縄文土器片が約30点，石器が3点出土している。土器片は前期を除く早期から晩期までの各時期のものがある。落し穴の単独での検出ではあるが，本遺跡も縄文時代の狩猟域としては，主要なポイントとなっていたと思われる。