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茂庭けんとう城跡

落し穴28基が発見された縄文時代の狩猟域。中世の山城跡も確認。

もにわけんとうじょうあと

茂庭けんとう城跡

Moniwa-kento-jo ato

種別区分
集落跡 城館跡
年代
縄文時代 古代 中世 近世
面積
551,500㎡

所在地

太白区茂庭字生出前他
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解説

茂庭けんとう城跡は,市の西部にあり,太白区役所の西約7㎞に位置する。標高140~169mの蕃山丘陵の南東部に立地し,面積は約551,500㎡である。北西側にけんとう城跡,南東側に東館跡がある。『仙台古城書上』には東西120間,南北58間の規模の山城で,城主が茂庭駿河であると記されている。城跡の遺構としては曲輪や土塁,堀切,竪堀が残存している。発掘調査は,昭和63年(1988)に浄水場施設新設工事に伴い南端部で実施され,平成元年(1989)にはガス局施設新設工事に伴い東端部で行われている。縄文時代後期後半金剛寺式期の竪穴住居跡1軒,炉跡のみ残存する竪穴住居跡1軒,後期の埋設土器1基,落し穴28基,焼石を伴う土坑2基が発見された。住居跡は,丘陵の東斜面裾部に造られており,平面形は直径3.5mのほぼ円形である。炉は20㎝前後の礫(れき)を直径75㎝の円形に並べた石囲炉である。床面付近より金剛寺式の土器が出土している。落し穴28基は形態・規模がほぼ一様で,けもの道を意識して列や組をなして配置されている。長軸方向が等高線に平行するように設定されたものがある。形態的には隅丸方形と溝状の2種類の平面形がある。落し穴のなかには底面にピットが確認されたものがあり,杭が立てられていた痕跡と考えられる。落し穴は茂庭団地造成の際に調査された嶺山A・B遺跡,沼原A遺跡,生出低地の町田遺跡などでも多数発見されている。縄文時代早期から晩期にかけての遺物が出土しており,縄文時代全般にわたり狩猟活動の場になっていたと考えられる。このほか,時代・時期は特定できないが,壁面の焼けた「焼壁土坑」22基,土塁,道路跡が検出されている。また,土師器の出土が確認されている。

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