明治時代を代表する洋画家,高橋由一(ゆいち)の作品
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みやぎけんちょうもんぜんず
宮城県庁門前図
Miyagikencho Monzenzu
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解説
Description
宮城県庁門前図は,明治14年(1881)宮城県庁の依頼で,高橋由一(ゆいち)により製作されたものである。この建物は,かつて仙台藩の藩校・養賢堂であり,北一番丁と勾当台(こうとうだい)通の東南にあった。門は,新しい洋風の門となっている。馬車に乗っているのは,県令松平正直であろうか。やや暗い色調のうちに脂派と言われた明治前期の日本の油絵の特徴を示している。建物自体が第二次世界大戦で焼失しており,歴史的にも貴重である。我が国の近代洋画の模索期における,異色の傑作と言われる。単純な線を用いて組み立てられ,玄関に至るまでの奥行,馬車,ランプ等当時の風情とともに安定した構図がみられる。 高橋由一筆 縦63.0cm 横123.5cm (宮城県美術館所蔵)