著作権法は、文化の発展のために定められた法律です。著作者の権利を守り、利用できる範囲を決めることで、創作活動を支えています。
音楽のCDを購入すれば、買った人は「音楽を聴いて楽しむ」権利を得たことになります。
しかし、複製して他人に配ることや、許可なくインターネットに公開することは、違法行為となります。
不正にアップロードされた曲をダウンロードする人が増えると、その曲は売れなくなり、作曲者、歌手、レコード会社など、制作にかかわった人たちは大きな損害を被ります。
作った人が次の創作への意欲を失くしてしまわないよう、著作者に敬意を払って大切に利用させてもらいましょう。
子供に知っておいてほしい大切なきまりの一つが著作権です。
違法行為だと知らずに、自分のブログに人気キャラクターを使用したり、動画投稿サイトにテレビ番組を投稿したりするケースがあるからです。
また、「バレないだろう」「お金がもったいない」と、映画や音楽を違法ダウンロードしているケースもあります。
違法行為をすれば、子供であっても厳しい処罰を受けることになります。
損害賠償を請求されれば、保護者が責任を問われるのです。
どのような行為が違法になるのか、しっかり話し合いをしましょう。
子供が夏休みの自由研究で、他人の文章やアイディアを使いたいという場面があれば、著作権を教える絶好のチャンスです。
一緒に許諾を得たり、引用できる範囲を調べたりして、著作物を適切に利用する方法を学ばせましょう。
「許諾」から学ぶ著作権
@ メール、電話、手紙などで著作者に連絡する。
A 利用したい著作物名や内容を伝え、利用の目的や利用形態を伝える。
B 許しがもらえたら、約束した範囲で利用させてもらう。
「引用」から学ぶ著作権
公表されている他人の著作物を、きまりに従って自分の作品内で利用することを「引用」と言います。
「引用」のきまりを守れば、本人から直接許諾を得なくても利用することができます。
○自分の文章が「主」であり、その説を補強するために「従」として著作物を利用する。
○原文をそのまま利用する。
○必要最低限の利用にとどめる。
○引用部分を「」などで本文と区分けをする。
○出典を明確にする。
◎「引用」と「無断転載」の違いは理解しておきたいところです。
出典:「子どもと学ぶネットモラル」広教 2014年刊行 P27