夏休み明け,スタートです

8月1日から夏季休業期間でしたが,本日から学校が再開です。本日の夏休み明けの全校集会ですが,放送で実施いたしました。 全校集会では,私から,生徒の皆さんに次のような話をいたしました。 「生徒の皆さん,おはようございます。例年よりも短い夏休みでしたが,有意義な期間になりましたか? この2週間の間には,75年前,第二次世界大戦において,原子爆弾がヒロシマに投下された8月6日,ナガサキに投下された8月9日,そして,8月15日の終戦記念日がありました。今日は皆さんと平和について,すこしだけ考えてみたいと思います。 実は,私はヒロシマで被爆された方と一時期交流がありました。もう9年前に亡くなられてしまったのだけれども,沼田鈴子さんという方です。鈴子さんは,被爆してたくさんのものを失いました。まずはご自分の左脚,そして,秋には結婚するはずだった婚約者の方を失いました。失意のどん底だったと言っておられました。しかし,鈴子さんは希望を忘れず,高校の家庭科の教員として勤めるとともに,被爆体験を語り継ぐ「語り部」として,活動をされていました。私が出会ったのも,「語り部」として,鈴子さんの被爆体験を聞いたのがきっかけでした。それ以来,何回かお会いさせていただきました。2回目にお会いした時に,「長谷川先生,もらってくださる」といって,一枚の色紙を差し出しました。そこには,こんな言葉が書いてありました。「それでも人は生きねばならぬ 沼田鈴子」。私にとって,耳から離れない言葉になってしまいました。「それでも人は生きねばならぬ」。鈴子さんは,核廃絶,戦争のない世界に向けて,平和運動に,最後まで力を注いでいらっしゃいました。世界に向けた平和を考えることはとても大切なことです。でも,今日,皆さんと考えるのは,私たちの日常の中にある平和についてです。私は,平和ということは,日常の生活から考えてみることが大切であると考えています。例えば,いじめが存在する日常はどうでしょう,差別の存在はどうでしょう。そう,それは平和ではありません。常日頃,相手の立場を理解し,相手を尊重し,思いやる心を持つことが,日常の平和のスタートラインなのではないでしょうか。私はそう思っています。いま,新型コロナウイルスに感染した人への誹謗中傷が社会問題化しています。しかし,この状況下で,私を含め皆さんの,誰がどこで感染するかわかりません。私たちの大切な仲間が万が一感染してしまったとき,皆さんはどんな心を持ちますか。私たちは,どんな心を持ち,どのように接しなければならないのでしょうか。皆さん一人一人が,心から考えてほしいと思います。学校はひとつのチームです。何があっても,どんなことがあっても,一人一人のチームメイトを,チーム全体で支え合う,そんな皆さんであってほしいと思っています。皆さんならそんなチームになれるはずです。なぜなら,皆さんは誇り高き仙商生だから。私は,皆さんを信じています。本日は,コロナ禍のなか,「日常における平和を考える」を中心にお話をいたしました。 さあ,生徒の皆さん,今日から,また新たな気持ちで学校をスタートさせましょう。仙商生,心を一つに,力を合わせて頑張っていきましょう。以上で,本日の,私の話を終わります。ありがとうございました。」  と,このような内容の話をいたしました。夏休み明けは,学習の成果としての検定試験もあります。3年生の皆さんは自分の進路に向けて取り組まなければなりません。コロナ前の生活には戻れませんが,仙商生,「仙商魂」をもって頑張っていきましょうね。今回の放送は放送室でした。相変わらず,マイクに向かって話をするのは苦手です(笑)。