仙台藩二代藩主伊達忠宗建立の東照宮
とうしょうぐう
東照宮
Toshogu
解説
Description
東照宮は本殿・唐門・透塀(すきべい)・鳥居・随身門(ずいじんもん)からなり,厨子(ずし)1基,棟札(むなふだ)1枚,石灯籠34基が附(つけたり)指定されている。徳川家康を祀るために全国各地に造営されたが,仙台東照宮は,その中でも優れた建築として知られている。承応3年(1654)仙台藩二代藩主伊達忠宗の創建によるもので,幣拝殿(へいはいでん)と本殿が透塀により隔てられた形式である。幣拝殿は,昭和10年(1935)に焼失し,昭和39年に再建された。本殿は,桁行(けたゆき)三間,梁間(はりま)二間,入母屋造(いりもやづくり),銅瓦葺で,三方に縁をまわし,一間の向拝(こうはい)が付く。正面と側面の桟唐戸(さんからど)は,麻の葉繋ぎの地紋に天女や唐獅子の彫刻が施されている。内部は内陣(ないじん)と外陣(げじん)に分かれ,漆塗,金箔,七宝の金具等で装飾されている。内陣には入母屋造,こけら葺で絢爛たる彫刻や飾金具,彩色が施されている屋形厨子(やかたずし)が安置され,徳川家康像を祀る。唐門は,一間一戸(いっけんいっこ)の向唐門(むかいからもん)で銅瓦葺,扉には,鳳凰(ほうおう),麒麟(きりん)の浮き彫りを施している。透塀は一周79.4mで本殿を囲み,銅瓦葺屋根,一定間隔に格子を取り付けた連子窓(れんじまど)を付け,腰壁には桟をたすき状に配している。附指定の棟札には「造営承応三天甲午三月十七日」とある。同じく附指定の石灯籠は,承応3年(1654)刻銘30基,延宝8年(1680)刻銘2基,天和2年(1682)刻銘2基の計34基で,昭和53年の宮城県沖地震により被害を受けたが,修復された。