遣欧使節が持ち帰った品々。ユネスコ記憶遺産に登録。
けいちょうけんおうしせつかんけいしりょう
慶長遣欧使節関係資料
Keicho Kenoshisetsu Kankeishiryo
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解説
Description
慶長遣欧使節は,伊達政宗が,ノビスパニア(メキシコ)との通商と宣教師の派遣を要請するため,イスパニア(スペイン)国王とローマ教皇に派遣した使節である。使節の副使は家臣の支倉常長。慶長18年(1613)牡鹿郡(おしかぐん)月の浦(現石巻市)から太平洋を横断してノビスパニアに上陸,大西洋に出てイスパニア,フランスを経てローマに至り,帰路は,ルソン(フィリピン)を経て元和6年(1620)日本に戻っている。太平洋上往路と帰路のルソンまでは,仙台藩で建造した洋式帆船サン・ファン・バウチスタ号による航海で,ルソンから長崎までは便船を用いた。使節の持ち帰った資料は,江戸時代を通じ伊達家と藩の評定所内の切支丹所に保管され,明治以降は民間に流出したが,昭和39年(1964)仙台市の所有となった。羊皮紙(ようひし)に描かれたローマ市公民権証書や副使の支倉常長の肖像画,十字架,祭服などがある。 (仙台市博物館所蔵)