仙台藩四代藩主伊達綱村により開山された黄檗宗(おうばくしゅう)寺院,臨済院の,唯一の建築遺構。
りんざいいんちないべんざいてんどうならびにどうち
臨済院地内弁財天堂並びに堂地
Rinzaiin chinai Benzaitendo narabini Dochi
▼ In English
解説
Description
臨済院は,元禄14年(1701)に仙台藩四代藩主伊達綱村により開山された黄檗宗(おうばくしゅう)寺院である。弁財天堂は,三間(さんげん)四方の宝形造(ほうぎょうづくり)で,素木造(しらきづくり)の簡素な建物である。頂上に露盤(ろばん),伏鉢(ふせばち),宝珠を載せ,向拝(こうはい)部分には虹梁(こうりょう)など江戸中期の様式的特徴が認められる。四周に堀を巡らせ,堂内には,彩色の弁財天坐像を安置している。かつては大寺院であったが,現在はこの堂のみが残り,茅葺であった屋根を昭和63年(1988)の解体修理工事の際に銅板葺とした。解体時に屋根裏から「宝永」と記された棟札(むなふだ)とみられるものが発見されたことから,建築年代は宝永年間(1704~1711)と考えられる。周辺は,歴史公園臨済院公園として整備されている。