伊達政宗の墓,瑞鳳殿に副葬されていた品々
だてまさむねぼしょしゅつどひん
伊達政宗墓所出土品
Date Masamune Bosho Shutsudohin
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解説
Description
仙台藩初代藩主伊達政宗の廟所・瑞鳳殿(ずいほうでん)は,二代藩主忠宗の廟所・感仙殿(かんせんでん)とともに,戦前は国宝に指定されていたが,昭和20年(1945)の仙台空襲で焼失した。昭和49年に行われた発掘調査の結果,墓室は切石の方形の石室で遺体は駕籠(かご)の中の棺桶に安置されており,石室内には数多くの副葬品があることがわかった。調査後,埋め戻されなかった副葬品については,考古資料として一括して文化財に指定された。出土品の主なものは,太刀,蒔絵の文箱,文鎮,硯箱,磁石などで,特に皮袋に入っていた金製のブローチは,無文の小円板11個を環状に並べたものに青銅の留針がつき,ヨーロッパ製と考えられる。後の調査で,破損していたが政宗所用の鉛筆も発見された。いずれも政宗が晩年まで身の回りに置いて使用した愛用の品々で,武将であると同時に文化人でもあった政宗の一面をしのばせる貴重な遺品である。(仙台市博物館所蔵)