伊達政宗が仙台への思いを詠んだ軸
だてまさむねわかえいそう「いりそめて」
伊達政宗和歌詠草「入そめて」
Date Masamune Waka Eiso "Irisomete"
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解説
Description
「入そめて 国ゆたかなるみきりとや 千代とかきらし せんたいのまつ」と詠まれたこの和歌は,初代仙台藩主・伊達政宗が,仙台の末永い繁栄を願って詠んだものである。仙台城への移転にあたって,これまでの千代(せんだい)の文字を仙台に改め,千代(ちよ)という限定をせず無限の繁栄を期するという意味の和歌で,仙台開府頃の政宗の仙台に対する思いを伝える数少ないものである。また,春慶塗印籠蓋造箱(しゅんけいぬりいんろうふたづくりはこ)1合が附(つけたり)指定となっている。箱には,金字で「曽祖父黄門政宗卿詠歌」,蓋表には,「箱之御銘書 屋形様御筆」とあり,箱の銘は,政宗が曽祖父にあたる五代藩主吉村が記したものであることが分かる。一説にはこの書そのものは,「むつ」と書かれていることから,政宗が陸奥守に任ぜられた慶長13年(1608)以降に属するとされる。(仙台市博物館所蔵)