伊達吉村奉納の,ぬえ退治を描いた絵馬
みなもとのよりまさぬえたいじず
源頼政鵺退治図
Minamoto no Yorimasa Nuetaijizu
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解説
Description
この絵馬は,「平家物語」巻4の「ぬえ」に題材をとったもので,平安時代末期,近衛院(このえいん)を夜な夜な悩ます化け物,すなわち頭が猿,体は狸,尾は蛇,手足は虎という姿で,鳴く声がとらつぐみに似たものを源頼政が郎党(ろうとう)の井の早太(いのはやた)一人を連れて射止めたところを描いている。ぬえ退治は絵馬によく描かれ,海北友雪(かいほうゆうせつ・1598~1677)が描いた京都・清水寺のものが有名である。この絵馬の筆者は不明であるが,濃淡細密な描写力は優れている。仙台藩五代藩主伊達吉村が享保9年(1724)に奉納したものである。板絵著色・板横に二枚矧(はぎ)。裏面墨書銘「享保九甲辰歳十一月廿四日」。(愛宕神社所蔵)