政宗の廟・瑞鳳殿を含む伊達家墓所
きょうがみねだてけぼしょ
経ヶ峯伊達家墓所
Kyogamine Dateke Bosho
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解説
Description
経ヶ峰は,市中心部の西南で,広瀬川をはさんで市街地に対する丘陵である。古来,霊地として崇敬されてきた。藩政時代に仙台藩初代藩主伊達政宗廟・瑞鳳殿,二代忠宗廟・感仙殿,三代綱宗廟・善応殿(ぜんのうでん),九代周宗(ちかむね)・十一代斉義(なりよし)・同夫人芝姫(あつひめ)の妙雲界廟(みょううんかいびょう),五代吉村以降の公子公女のお子様御廟がおかれ,茂ヶ崎(もがさき)の大年寺とともに伊達家の墓所となった。これらの廟建築は,国宝となっていた瑞鳳殿などを含め昭和20年(1945)7月の仙台空襲により焼失したが,廟墓としての姿はなおよく保持されており,石段,石垣,土塁など優れた土木技術が用いられていることがわかる。また,墓域として維持されてきたため,約500種に及ぶ植物が生育し,スギの大木が林立し,ムササビ,リスなど多数の動物が棲息する。墓所を取り巻く自然環境もきわめて貴重である。昭和49年に瑞鳳殿,56年・58年に感仙殿,善応殿の三代の廟再建が行われ,その際の発掘調査で出土した伊達政宗所用の太刀や文箱,装飾品などの墓所出土品は,仙台市指定有形文化財となっている。