仙台藩六代藩主伊達宗村により建立された,江戸時代中期の朱塗の観音堂
むつこくぶんじじゅんていかんのんどう
陸奥国分寺準胝観音堂
Mutsu Kokubunji Junteikannondo
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解説
Description
陸奥国分寺準胝観音堂は,奈良時代に創建された陸奥国分寺の境内に立つ。宝形造(ほうぎょうづくり)本瓦葺で,方二間に一間の向拝(こうはい)が付き,四周に縁が廻らされる,朱塗の観音堂である。棟札1枚,陸奥国分寺準胝観音堂縁起1巻,准胝観音碑1基を附指定として指定している。
陸奥国分寺準胝観音堂は,延享2年(1745)に,仙台藩六代藩主伊達宗村により建立された。縁起によると、延宝9年(1681)に,この地の安定を願って建てられた准胝観音碑の場所に,宗村の生母である,五代藩主夫人貞子(さだこ)が,後の六代藩主宗村が誕生したことへの御礼として,享保4年(1719)に創建したものであり,現在の観音堂はこれを再建したものである。
由緒や建築年代が明確であるとともに保存状態が良く、陸奥国分寺の重層的な歴史を伝える重要な建造物と評価できる。加えて、棟札および縁起は観音堂の建築年代や建立経緯を伝えるものであり、建立の経緯となった准胝観音碑と合わせて貴重な資料である。