桃山~江戸初期の印刷・出版文化の極み
こうえつうたいぼんいっぴゃくばん
光悦謡本一百番(特製本)
Koetsu Utaibon Ippyakuban ( Tokuseibon )
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解説
Description
光悦謡本は,慶長期に観世流(かんぜりゅう)の能や謡(うたい)の人気曲を100番選んで木活字で印刷し1曲1冊に仕立て,100冊を一揃いの形としたものである。伊達家が所蔵していたこの本は,木活字印刷による古活字版で,本阿弥光悦及びその門流(もんりゅう)による美しい書体の木活字を用い,料紙(りょうし)や装丁等にも工夫を凝らした希少な特製本である。光悦謡本は,「嵯峨本」(さがぼん)といわれる豪華本のなかでも最も美しいとして珍重されたもので,桃山期から江戸初期における印刷・出版文化を伝える極めて貴重な資料であり,仙台藩の能や謡曲の歴史にとっても重要な資料である。(宮城県図書館所蔵)