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環海異聞(写本)

ロシアに漂着した水夫の世界紀行録

かんかいいぶん(しゃほん)

環海異聞(写本)

Kankai Ibun ( Shahon )

In English
指定区分
Classification
宮城県指定 / 書跡
年代
Age
江戸時代

Quantity
16冊
指定年月日
Designated Date
平成17年(2005) 07月26日

所在地
Location

宮城県仙台市泉区紫山1丁目1-1
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解説
Description

 仙台領宮城郡寒風沢の水主・津太夫,桃生郡深谷室浜の太十郎,牡鹿郡石巻の沖船頭・平兵衛,水主・善六ら16名を乗せて寛政5年(1793)11月27日に石巻港を出帆した若宮丸が遭難・漂流してアリューシャン列島に漂着し,以後,文化元年(1804)に長崎に帰着するまでの12年間の,漂流民の異国における体験をまとめたのが,本書である。出帆時16名だった一行は,オホーツク,ヤクーツクを経てイルクーツクに8年余滞在し,享和3年(1803)にモスクワを経て首都のベテルブルクに到着,皇帝アレクサンドル1世に謁見した。同年の6月に,帰国が可能な4名は送環されることとなり,レザノフを使節とする遣日ロシア使節団に同行する。使節船は,文化元年に日本国長崎に到着しているが,この間,船は大西洋,赤道,太平洋をめぐり,沿岸の諸国,諸港に立ち寄っており,各地で見聞を広げる体験を重ねた。
 本書は,帰朝した津太夫らに文化3年,大槻玄沢と志村弘強が40日間程,江戸藩邸において聴聞した上,執筆・編集作業に入り,翌年夏に脱稿をみている。
 伊達伯爵観らん閣図書に属していた本書は,献上本に次ぐ位置にあり,和綴じ本・16冊・彩色挿絵の体裁は,他の現存品と比べても遜色のない内容を持つものであり,宮城県内に現存する『環海異聞』としては,最上位の内容と体裁を保つものである。(宮城県図書館所蔵)

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