伊達綱村の命により編纂された,仙台藩領の地理・歴史・風俗・産業等の記録
おううかんせきもんろうし
奥羽観蹟聞老志
O-u Kanseki Monroshi
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解説
Description
仙台藩の史官・画工を勤めた佐久間義和(洞巌)が四代藩主伊達綱村の命を受けて編さんに着手し,享保4(1719)年に完成させた地誌である。仙台領を中心にしながら,対象を奥羽他領の主要地にも広げ,官制,土産,旧所,名蹟,神社仏閣,名勝,故事などを詳細に記述し,古歌・古文や風習の採録にも留意したもので,本県を中心とする地域の地理・歴史・風俗・産業等の情報を豊富に伝える優れた記録となっている。また,以後に執筆・編纂された佐藤信要・高橋以敬による「封内名跡志」(寛保元,1741年)や田辺希文による「封内風土記」(明和9,1772年)などの地誌の先駆けである点も重視される。
本書は類品が幾つか確認される中にあって,旧伊達伯観瀾閣図書であった由緒と完備された内容・体裁により,定本に近い資料との評価がなされている。(宮城県図書館所蔵)