藩内の重要な建物や江戸屋敷を描く,貴重な絵図史料群
せんだいべつぎょう・えどやしきとうえず
仙台別業・江戸屋敷等絵図
Sendai Betsugyo ・ Edoyashiki Ezu
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解説
Description
本資料は「仙台別業絵図」「江戸屋敷絵図」「関連絵図」に大別される。
「仙台別業絵図」は3種5舗からなり,伊達政宗晩年の居城であった若林城,宗村が再興した別荘国分小泉屋敷,綱村が貞享4年(1686)に設けた郷六別荘に関するもの,いずれも類例の少ない絵図であり,未解明な分野を明らかにする上で貴重な史料である。
「江戸屋敷絵図」は5種6舗からなるが,江戸屋敷を描いたものは少ない。芝上屋敷を知ることのできるのは天保10年(1839)のもののみであり,年代不詳のものは,今後の研究課題である。寛文7年(1667)の愛宕下中屋敷,五代藩主吉村の隠居による袖ケ崎屋敷建築による品川屋敷の縮小以前の姿など,度々火災に遭遇している江戸屋敷の構造を知るためには,他の機関所蔵のものと合わせて比較検討する必要がある。
「関連絵図」は,西洋兵術の訓練所である講武場絵図,仙台藩学養賢堂の平面図・側面図,瑞風殿の設計図,藩営の建物の修復後図を作図方が集め台帳としてきた御修復帳など,城や屋敷以外の貴重な絵図である。(宮城県図書館所蔵)