仙台藩の飛領の様子を知り得る貴重な絵図資料
とびちりょうえず
飛地領絵図
Tobichiryo Ezu
▼ In English
解説
Description
本資料は,「仙台領常陸絵図」「仙台領近江・京都・大坂関連絵図」「関係文書」に大別される。
「仙台領常陸絵図」は仙台藩の飛領として,江戸賄料の性格を持つ1万石の所領図であり,幕府巡検使のために作成したと伝えられているが,県内に残る竜ヶ崎領唯一のまとまった絵図である。
「仙台領近江・京都・大坂関連絵図」のうち元禄12年(1699) の「近江国御内証絵図」は,竜ヶ崎領同様仙台唯一の飛領であった近江領1万石の元禄国絵図作成の時の絵図であり,近江領の存在の仕方が一目瞭然である。この飛領は,京都賄料の性格をもつと言われている。 他の絵図は数少ない京都・大坂に関するものであり,文久2年(1862)の京絵図,天保15年(1844)の大坂地図は,当時の仙台藩京都屋敷や仙台藩と交際のあった公家屋敷あるいは大坂屋敷の位置を知り得るものである。(宮城県図書館所蔵)