Q&A (Q1~Q5をタップして下さい)

Q1 どのような教育方針で生徒を育てるのですか。

1. 知性を高め 感性をはぐくみ 意志を鍛える
本校では「知性を高め 感性をはぐくみ 意志を鍛える」という教育方針を掲げ、知性・感性・意志のバランスが取れた人間の育成を目指しています。人間的な幅の広さや深さが育っていかなければ学力も高まってはいきません。そのような考え方をベースに、授業はもちろん、体験学習、学校行事、課外活動、部活動などにも積極的に取り組みます。中等教育学校である本校の一つの特色は、中高6年間140人がそのまま進級していく一貫の方式にありますが、6年間を「根づく」「伸びる」「花ひらく」の3期に分け、一人一人の生徒を、植物を育てるようにして大きく成長させていきます。
2. 「土」を大切にした植物モデル
植物を育てるには、足元の土作りを地道に行うことが大切です。本校の教育に関する考え方も同じです。本校の教育は、植物を育てるやり方と同じように、「土」を大切にしたところからスタートします。本校の教育で「土」に相当するものは二つあります。一つ目は人間関係づくりです。140人が6年間同じ場所で一緒に暮らします。したがって、人間関係が豊かでなければ基本的な学力も身に付かず、確かな学力や知的好奇心も育ちません。本校では入学後から良質な人間関係づくりを目指し、グループ学習やクラスの和を高める取組を小まめに行っています。二つ目は「学力の核」です。「学力の核」とは、読み・書き・計算の基礎学力と、その基礎の上に育つ言語コミュニケーション力と論理的思考力を指しています。このような力を育てるために、学校独自の科目「ことばと論理」「オールイングリッシュタイム」「数楽タイム」を設置し、前期課程の3年間で、より高度な学習に対応できる力を育てています。
3. 6年後には花開く成果が
 本校の生徒の大半が難関大学への進学を目指しています。希望進路実現のため、1年生から5年生までの5年間は人間的な面での成長を図りながら広く深く学ばせ、最終学年の中盤以降は大学受験に合わせた実践的な授業を行います。大学へつながる学力は、そのベースである「土づくり」から始まります。「土」をしっかりつくることで、樹木が育ち、花が開き、やがて豊かな実がなるのではないでしょうか。「土」から発想する点が、本校の大きな特色であり、一見迂遠なような取組が、実は6年後に確実な成果を上げていくものと私たちは考えています。

Q2 どのような授業を目指しているのですか。

1. 学ぶ楽しさ、驚き、発見があり、かつ力が付く授業
 本校ではあくまでも授業のあるべき姿を追究し、「学ぶ楽しさ、驚き、発見があり、かつ力が付く授業」を目指しています。授業の中で生徒の知的好奇心を喚起し、自発的な学習意欲を刺激しながら、習熟させるところまで生徒の力を引き上げていきたいと考えています。授業では「納得」と「疑問」、すなわち「!」と「?」を織り交ぜた授業を展開して、「気付く」「分かる」「できる」を結んでいきます。
2. 学び、考え、伝える力を育てる
本校の授業では、「気づく・分かる・できる」のサイクルを念頭に置き、知識やそれを活用する力を身に付けさせますが、それだけでは十分とはいえません。自分で学び考える力や、学んだことを他人に伝えていく力も同時に身に付けさせる必要があります。そのために前期課程に本校独自の科目である「ことばと論理」「オールイングリッシュタイム」「数楽タイム」を設置しています。「ことばと論理」では言語コミュニケーション能力と論理的思考力を培い、「オールイングリッシュタイム」は英語によるコミュニケーション能力と表現力を育て、「数楽タイム」は観察や操作、実験を通して課題を追究し、多様な見方や考え方を養います。5年生にはその集大成として、研究論文の作成に取り組みます。

Q3 カリキュラムの特長は何ですか。また、学習進度はどうなっていますか。

1.  6年かけて深く広く学ぶカリキュラム
本校では難関国公立大学進学を想定したカリキュラムを準備しています。ただし、目的を大学受験のみに絞り、受験に必要ない科目を省いていくやり方は取っていません。物理基礎、化学基礎、生物基礎の理科三科目を学ぶなど幅広い教養を身に付けることを主眼とし、5年生までは全員がほぼ同じカリキュラムで学びます。中高一貫校のよさは、6年間かけて、深く広く学べるところにあります。6年生で文系・理系に分かれて進学に対応した授業を受けますが、その時にこれまでの5年間で培ってきた裾野の広い教養が生きてきます。
2.  速めの学習進度
学習進度は通常の中学校・高等学校よりも速めです。前期課程では通常の教科書や資料集に加え、独自のプリントや資料を使ったりしながら授業を進めています。特に進度を速めることを意識しているわけではなく、すべての科目において深く広く学ぶようにしています。授業時数も多いため、1年生は約10ヶ月で中学校1年生の学習内容を終了し、2月、3月には中学2年生の内容を学習しています。学習指導要領の基準等に配慮しながら、3年生の中盤以降は高校の学習内容を学び、6年生の中盤以降は大学受験に対応した授業を実施します。6年間の一貫した教育課程の最大の利点は、中学校と高校の学習内容の重複を省くとともに、前後のつながりを大切にしながらそれを効果的に配置できるというところにあります。本校のカリキュラムは、まさにそのような視点から、学習効果を最大限に発揮できることを目指し編成しています。
3.  人間力を育てる体験学習・調査研修
6年間を2年ずつ三期に分けて進路指導の目標を設定するとともに、3年から4年に進級する際には「尚志式」を行って、義務教育を修了して高校の課程に進む自覚を育てています。また、体験学習を毎年行うことで学校生活に変化と張りをもたせる工夫をしています。1年生には県内でオリエンテーション合宿、2年生には山形県の農村で宿泊体験をした後、酒田・鶴岡で調査研修を行います。3年生は、九州(大分・長崎)での研修旅行、4年生に首都圏の大学を訪問するほか、5年生に海外研修(ニュージーランド)に行きます。このような体験学習は、人間形成に大きな影響を与えます。これをきっかけに伸びていく生徒も多いため、本校では体験学習を大きな柱として、1年生から5年生まで毎年実施することとしています。

Q4 進路指導のポイントは何ですか。

1.  国公立大学進学を想定
本校では生徒の大半が国公立大学への進学を希望しています。したがって、本校の教育課程も国公立大学を受験することを想定した編成になっています。国語・数学・英語の授業時間数を大幅に増やし、6年生の中盤以降は大学受験に対応した実践的な授業を展開していきます。前期課程では英語、後期課程では数学と英語の少人数の授業展開を取り入れ、1学年の定員が140名という学年規模の利点を最大限に生かし、一人一人の理解度を確かめながら授業を進めています。
2.  進学校のノウハウを集約
本校では進学校で進路指導を経験してきた教員を中心に、伝統校や全国の中高一貫教育校のノウハウを取り入れながら、6年間一貫した進路指導計画を作成しています。1年生から3年生までは,中高一貫教育校を対象とした校外模試などを受験して、全国的な位置を確かめながら、後期課程そして大学進学につながる道筋を着実に歩ませます。1年生の段階から職業や大学での学びにつながる基礎進路講演会を開くとともに、大学紹介や職場体験を実施して進路意識を高めています。さらに3年次には、留学生を交えた小グループでのディスカッションや大学の講義の受講します。4年次以降は大学進学に向けて、進路講演会、一日大学、大学の先生や研究者、職業人を招いて実際的な取組を行っています。
3.  大学入学はスタートライン
進路指導は大学入試の合格のみを目指して行うものではありません。将来の職業選択や人生設計を視野に入れた大学選びの同一線上に大学入試があると本校では考えています。本校の進路指導で行う基礎進路講演会、進路講演会、一日大学、オープンキャンパスへの参加などは、広範な進路指導の一環です。また、5年生でのニュージーランド研修は、5年間学習・体験してきたことの集大成です。日本から世界へ目を向けることで、自分の将来の姿をそれぞれが描き、その夢を実現するために大学へ進学することが理想だと思っています。つまり大学進学はゴールではなくスタートです。本校では大学進学をそのように捉えています。

Q5 中高一貫校ならではの校風

1.  中高一貫校ならではの校風が育つ
等教育学校のよさは異年齢集団の厚みにあります。下は12歳から上は18歳までの年齢層が一つの学校で生活する環境で切磋琢磨が行われ、知らず知らずのうちに生徒は大きく成長していきます。後輩は先輩の後姿からたくさんのことを学び、先輩は後輩から見つめられていることを自覚して行動する。体育祭・青陵祭(文化祭)では、全校が一体となって一つの祭を創り上げていきました。学校全体が一つになって仙台青陵の伝統を創造しています。異年齢集団の学びの素晴らしい場面が実感できます。


2.  高い学校評価を励みに更に前進を
学校評価については、生徒・保護者・教職員を対象に実施しています。昨年度の調査では、「本校に入学してよかったと思いますか」という質問に対しては、「そう思う」あるいは「どちらかというとそう思う」と答えた生徒は約87%、保護者についても同様の質問を行い、肯定的な回答が約92%となっています。授業については「先生は生徒が理解しているかどうかについて気を配り、頑張りを認めてくれていると思いますか」という問いに対し、生徒の約80%が「そう思う」あるいは「どちらかというとそう思う」と答えています。一定の評価が得られたと判断していますが、この結果に安住するのではなく、常に向上を目指した取組を全校で行っていきます。